
『ハッピープランニング株式会社』代表
相談実績が豊富な、
事故物件対応のプロフェッショナル。
事故物件を高く売りたい場合、リフォーム後に売却する選択肢があります。リフォームによって資産価値が高まりますが、改修箇所や費用には注意が必要です。
ここでは、事故物件のリフォームが重要な理由やポイントを解説します。
事故物件の定義
事故物件は、自死や他殺、孤独死などによって人が死亡した不動産を指します。物理的な不具合や欠陥は見当たらないものの、心理的な抵抗感が強い(心理的瑕疵がある)ため、入居・購入する方は限られるのが実情です。
事故物件は一般の不動産より需要が少なく、市場価格より大幅に安くなってしまうケースも珍しくありません。売却する際は、買い手の心理的なハードルを下げつつ、物件の資産価値を高める工夫が求められます。
事故物件はリフォームで
資産価値があがる
通常の不動産よりも買い手が少ない事故物件ですが、リフォームによって資産価値を高めることが可能です。事故物件になる前の水準ほどではないものの、事件・事故の痕跡を消せるため、心理的な抵抗感は緩和できます。
ただし、リフォームが必要な箇所・範囲は物件の状態によります。部分改修でよい場合もあれば、全面リフォームが求められる場合もあります。事故物件を取り扱う不動産業者と相談し、適切なプランを提案してもらいましょう。
事故物件にリフォームが
必要な理由
心理的な抵抗感を軽減する
事故物件を売却前にリフォームすれば、買い手の心理的な抵抗感を和らげることが可能です。事故物件は心理的な抵抗感から購入をためらう方は多く、事件・事故発生時の状況のままでは、なかなか売れないのが実情です。
リフォーム後も告知義務がなくなるわけではありませんが、心理的な抵抗が和らげば、買い手の購入意欲を高められます。
市場価値の向上
事故物件をリフォームすると、市場価値が高まる可能性もあります。リフォームは、古くなった内装や設備を一新できるため、物件に付加価値を加えられます。居住性や快適性も改善されますので、物件評価がアップすることも考えられます。
ただし、市場価値を高めるにはリフォーム内容が重要です。予算にも注意しつつ、リフォーム内容を決めていきましょう。
告知義務に伴う印象改善
事故物件には告知義務がありますが、リフォームによって印象を改善することが可能です。告知義務はネガティブな印象を与えやすく、買い手の購入意欲にも大きな影響を及ぼします。
しかし、リフォームを実施すれば事件・事故の痕跡をなくせます。買い手の事故物件に対する印象も改善されるでしょう。
事故物件のリフォームで
押さえるべきポイント
内装の全面的な改修
事故物件をリフォームする際は、内装の全面的な改修も検討しましょう。事件や事故が発生した部分のみの改修も可能ですが、かえって違和感が残る可能性があります。浮いてしまうと、買い手の心理的な抵抗感も高まるため、内装は全面改修を前提にしましょう。
壁紙はもちろん、必要に応じて床や畳なども交換をおすすめします。
水回りや設備の刷新
トイレや浴室、キッチンなど、水回り設備もリフォームしておきましょう。水回りは劣化が早く、古くなった設備は水漏れなどトラブルが起きる可能性が高めです。
設置から相応の年数が経ったものや、使い勝手が悪いものは交換しましょう。水回りの交換費用は設備のグレードによるため、予算オーバーしないように注意が必要です。
外観や共用部分の修繕
事件・事故の痕跡が外観や共有部分にも残っている時は、売却前にリフォームしておきましょう。外観・共用部分は物件の印象にも関わるため、古さや傷みが見られる場合もリフォームが適切です。
外観などを一新すれば見栄えがよくなり、買い手の心理的な抵抗感も軽減できます。内装と合わせてリフォームするとよいでしょう。
お祓いやお清めの実施
リフォームが完了したら、お祓い・お清めも行いましょう。事故物件売却時のお祓い・お清めは、必須ではないものの、買い手の心理的な抵抗感の緩和に繋がります。
お祓いなどは近隣のお寺や神社に依頼できます。事情を説明し、売却前に対応してもらいましょう。不動産業者によっては、寺社を紹介してもらえる可能性もあります。
事故物件リフォームの相場
事故物件のリフォーム費用は、リフォームの内容や実施箇所によって異なります。
以下は床などの貼り替えにかかる費用の一例です(※1)。
- クロスの貼り替え:1㎡あたり1,000〜2,000円
- クッションフロアの貼り替え:1㎡あたり
2,000〜4,500円 - フローリングの貼り替え:1㎡あたり
3,000〜4,000円 - 畳の交換:1畳あたり8,000〜12,000円
水回りや外観リフォームの費用相場は次のとおりです(※2)。
- キッチン:100〜150万円
- 浴室:100〜120万円
- トイレ:30〜40万円
- 洗面所:20〜30万円
- 外壁:90〜120万円
設備のグレードによっては、上記の価格よりも高くなる可能性があります。
増改築やフルリフォームの場合、1,000万円を超えることも考えられます。どこまでリフォームするか、慎重な判断が必要です。
(https://happyplanning.jp/column/2946/)
リフォーム費用を
抑えるためのコツ
事故物件のリフォーム費用を抑えたい場合、複数のリフォーム業者から見積もりを取りましょう。リフォームは相応の費用がかかるものの、業者によって設備の価格や工事費用が異なります。同等のリフォームでも、費用が大きく変わる可能性がありますので、相見積もりを取って業者を選びましょう。
ただし極端に安い業者は注意が必要です。なぜ安いのか理由を聞いておきましょう。
設備のグレードを下げることも費用節約に繋がります。特に水回り設備は、グレード次第で数十万円も変わる場合があります。設備は快適性にも影響しますが、予算が限られる時は、グレードが低い設備の導入も検討しましょう。

査定額アップする方法とは?
修繕が必要な場所は補修しておけば、室内の状況がよく見え、査定額も高くなるでしょう。
それは事故物件でなくとも、リサイクルショップを想像すると同じではないでしょうか。状態が良いものの方が高く買い取ってもらえますよね?
事故物件で言うならば、全面的なリフォームよりも、亡くなった場所の清掃や、臭いがこもって部屋にしみつかないような工夫、室内の荷物を事前に片付ける等を行っていると、金額も変わってきます。
リフォーム不要で専門業者へ買い取ってもらうことも
可能
事故物件をリフォームするお金がない、リフォームせずに手放したい時は、専門業者の買い取りも選択肢に入れましょう。事故物件の取り扱いが得意な業者であれば、リフォーム不要で売却できる可能性があります。
買取業者によっては、不動産買い取り後に自社でリフォームを行っています。売却前のリフォームが不要ですので、数百万円かかるリフォーム費用を節約できます。
また、買い取りなら買い手を探す必要もありません。一般的な仲介と比べ、事故物件を短期間で手放すことが可能です。業者によって対応スピードは異なりますが、数日で買い取りしてもらえる場合もあります。

売却しやすくするためにリフォームは有効ですが、事故物件になってしまったことで心労が重なっている状況で、そこまで気を配ることは大変です。
心苦しい状況の中でお金と時間も更にかけるより、まず事故物件専門の不動産業者へ相談することも大事なことだと思います。
